ゲイは病気? ブラジルにおける、同性愛者への“治療”判決へ国内外から大批判

@ivetesangalo / Instagram

 

ブラジルの連邦裁判所にて、同性愛への“治療”を合法とする判決が出た。国内外から大きく非難を受けている。

さかのぼること現在から18年前の1999年、ブラジルの連邦心理学委員会(FCP)は、同性愛者を“治療する”目的での対話セラピーを禁止にした。

しかし近年のブラジルでは、福音派キリスト教徒の数が増加。つい先日にも、キリスト教徒と右翼団体の抗議を受けて、ゲイのアート作品展示会が中止されるなど、LGBTに対する風当たりが強くなっていた。

Guardianの報道によれば、ヴァルデマール・デ・カルヴァーリョ連邦判事は、FCPの同性愛“治療”禁止令を覆す判決を下した。この審議は、そもそも福音派キリスト教を信仰する心理学者ロザンジェラ・ジャスティーノにより立てられたもので、彼女は禁止令違反から免許停止処分にあっていた。

この判断に、FCPは猛反発。ロジェリオ・ジャンニーニ会長は、「病気でないものを治療するすべなどない」と、真っ向から対立する構えを見せている。

また、現地では数少ない、ゲイであることを明らかにしているデヴィッド・ミランダ評議員も、「この数十年間でLGBTコミュニティが獲得してきた進歩が、大きく後退する決断だ」と非難。「世界中の他国と同じように、ブラジルでも保守派の勢いが増している」と同メディアの取材に答えた。

 

現地の著名人も、反対の声を上げており、現地の人気歌手イヴェッチ・サンガロは、「病気なのは、こんなにも不条理なことを信じている方だ」とインスタグラムに投稿。サッカー代表選手ネイマールも、「どんな形でも“愛”であると考えよう」と訴えている。

“… consideramos justa toda forma de AMOR”

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ブラジル国内のLGBTコミュニティもこれに続き、「#curagay(ゲイ治療)」「#HomofobiaÉdoença(ホモフォビア=ゲイ嫌いこそ病気)」といったハッシュタグを用いた抗議のツイートが数多く投稿。国外からも「(ブラジルで使われている)ポルトガル語はわからないけれど」としながらも、現地の当事者たちを励ます声が広がっている。