大物プロデューサーという立場をかさに着て、長年にわたって女優たちへセクシャルハラスメント行為を重ねてきたハーヴェイ・ワインスタイン（66）。彼の被害者は、女優やモデルたちだけではなかった。元妻ジョージナ・チャップマン（42）が、苦悩を赤裸々に語った。
ジョージナ・チャップマンは、女優であり、「マルケッサ」というブランドを運営するファッションデザイナーだ。ハーヴェイ・ワインスタインとは、2007年に結婚して二児をもうけた。彼のしてきた行為が告発された当時は、まだ婚姻状態にあり、騒動発覚後の2017年10月、ジョージナ側から離婚を申請した。
ハーヴェイ・ワインスタインのセクハラ発覚以降、公の場で「マルケッサ」の衣装をまとうセレブは激減した。ひとつには彼が女優たちに、「マルケッサ」のドレスを着るよう強要していたと報道されたことがある。今月に開催された「メットガラ」では、女優スカーレット・ヨハンソンが同ブランドのドレスを着て来場し、非難される事態に。こうした状況の中、ジョージナ・チャップマンは初めて公式なインタビューに回答。VOGUEを相手に胸の内を告白している。
ジョージナは、自身やブランドが敬遠されることについて、「（元夫の行為によって）傷ついた女性たちは、威厳や尊敬を保つだけの存在である」と、一定の理解を示している。「マルケッサ」が2018年の秋コレクションのショーを中止にしたことについても、「それだけの時間が必要だった。いまは喪に服すとき」と話している。
ハーヴェイ・ワインスタインがしてきたことが世に広く知れ渡ったとき、ジョージナ自身、「ひどく辱められ、傷ついた」という。「最初は何もできませんでした。ひどいショック状態だったんです。それに私はどこかで、私には関係のないことだと思っていた。それから“これは事実なんだ”と自覚したの。私が背負わなくてはいけないことで、前へ進まなくていけないことなんだと」
「怒り狂ったこともあったし、混乱したこともあった。信じられなかったことだってあったの！ そして子どもたちを思って、ただ泣き暮らしたこともあった。この子たちの人生は、どうなってしまうの？ 世間はこの子たちに何を言うの？ だって私の子どもたちは、父親のことを愛しているんです。父親が大好きなの。そのことが耐えられなかった！」
【「私の素晴らしい夫へ」昨年の父の日の投稿】
それまでジョージナ・チャップマンは、自身の結婚生活は幸せに満ちたものだと考えていた。「その幸せのおかげで、より苦しい思いをすることになった。私はとても幸せな結婚生活を送っていると思っていました。自分の生活に心から満足していたわ」
それまでの生活の中で、ジョージナはハーヴェイ・ワインスタインが女優たちにしてきた行為を、一度でも疑ったことはなかったのか。彼女はこの問いを、きっぱりと否定している。離婚という道を選んだものの、彼に対してはいまだに複雑な思いを抱いていることを明らかにした。
「そうね、彼は子どもたちにとって、素晴らしい父親でした。カリスマ性を持っていて、強く輝く、知的な男性だった。それにチャリティ精神もあり、友人や私の母親が乳がんをわずらったときは、名医にかかれるよう医療費を負担してくれたわ。素晴らしいところがあったの。いまでもそれは変わっていないわ。だからこそ苦しいんです。人生は白黒つけられるものではないから」
ハーヴェイ・ワインスタインは、「ワンダフルパートナーであり、友人、親友でありサポーターだった」とする一方で、ジョージナ・チャップマンは、現在は彼の現状について言葉を濁している。
「私は彼の元妻ではあるけれど、彼の心のうちはわかっていなかった。だからその質問にうまく答えられるのは、私じゃないわ」
ジョージナ・チャップマンは今後について、「できるだけ早く引っ越したい」との思いを明らかにしている。「クレイジーなビジョンがあるの。田舎の農場に移りたいわ。娘は馬乗りが好きだし、息子も動物好き。農場を建てなくちゃね」
