創業者がヴィクトリアだと思っていた? 日本でも人気の下着ブランド「ヴィクトリアズ・シークレット(Victoria’s Secret)」の名前の由来って?
結論から述べてしまえば、VS生みの親はロイ・レイモンド。もちろん、ヴィクトリアでなければ、そもそも女性でもない。ではどのようにして「ヴィクトリアズ・シークレット」というブランドが生まれ、名付けられたのか。豪版「Elle」がまとめている。
いまからちょうど40年前、1977年にブランドが誕生したきっかけは、ロイが妻のゲイに対して、下着を贈ることを思いついたからだ。ところが彼の目についたのは、「野暮ったい」時代遅れの下着ばかり。さらに当時のランジェリーショップは、男性が気軽に買い物をできる環境でもなかったという。
「ラックにはタオル地のローブや、醜い花柄のナイロン製ナイトガウンばかり。おまけに百貨店に入れば、女性店員には招かれざる侵入者と思われているようで、居心地も悪かった」(「Newsweek」インタビュー)
そこでロイ・レイモンドが、親類や銀行から資金を集めて起こしたのが、「ヴィクトリアズ・シークレット」。ブランド名は、19世紀のイギリスを統治した、ヴィクトリア女王(在位:1837-1901)に由来する。
その理由のひとつは、ヴィクトリア朝の貴婦人の部屋から、店内の雰囲気を作り上げるヒントを得たため。そして、当時の洗練されたセンスにあやかるため。秘密を意味する「シークレット」は、服の下の、という点から名付けられた。
記念すべき一号店をカリフォルニア州パロアルトにオープンしたあと、順調に店舗数を増やし、いまでもおなじみのカタログ制作を開始。その後、100万ドルで事業を売却してから10年もしないうちに、「ヴィクトリアズ・シークレット」の企業価値は、10億ドル近くにまで膨れ上がった。
1993年に、ロイ・レイモンドは、妻ゲイと離婚後、投身自殺によってこの世を去ったが、「ヴィクトリアズ・シークレット」はグローバル企業として2017年の今も健在。現在も多くの人々に愛され続けている。