昨年のファッションウィーク内で行われたショーにて、ランウェイを歩いたモデルのうち、実に75パーセントを白人モデルが占めていた。さらにプラスサイズはたった6人、トランスジェンダーは8人と、業界が抱えるマイノリティ問題はまだまだ根深い。当事者であるイギリス生まれの黒人モデル レオミー・アンダーソンが声を上げた。
2015年から3年連続で「ヴィクトリアズ・シークレット」のファッションショーに出演してきた経歴を見ても、レオミー・アンダーソンはトップモデルのひとりだ。しかしそんな彼女ですら、人種を理由にショーへの出演をカットされた経験があるという。本人がツイッターで暴露した。
【今年のVSFSにも出演予定】
「あるショーへの出演が決まっていたのに、デザイナーが“黒人女性を1名以上起用する気にならない”という理由で出演が取りやめに。胸が悪くなる」
「午前8時40分にフィッティングへ出かけて、6人の白人女性と一緒に列に並んだ。彼女たちの衣装が決まっていくのを横目に、私は“彼(デザイナー)がきみのための衣装を見つけられないから、もう帰っていい”って言われたの。信じられない。私の横には、日焼けしたブラジル出身のモデルがいたのよ」
レオミーいわく、自分の出演はすでに決定事項だったにも関わらず、あとから取り消されたのは別の有色人種モデルによって、“枠”が埋まってしまったという理由であることは「明らか」。自身の出番がキャンセルされたのは、「私が黒人だからってことね」とブランドを批判している。
このとき、レオミー・アンダーソンは、ブランドやデザイナー名について、具体的に言及することはなかったが、彼女がファッション業界の人種差別について声を上げることは、これが初めてではない。
今年4月、レオミーはTeenVogueに対して「ミラノでは、キャスティングのため3時間も待たされた挙句、今季、アフリカ系モデルはもういらないと言われたこともある」と告白。スタイリング剤が彼女の髪に合わなかったという理由で、「ヘアスタイリストから暴言を吐かれたこともある」と明かしていた。
BBCのインタビューにおいて、レオミー・アンダーソンは、「ファッションウィークの期間中や、仕事場において、黒人モデルが自分たちは“二級市民なんだ”と思わされるような出来事は、これまでもずっと起きてきたと感じている」と告白。業界に根強く残る差別を強く批判した。