男に襲われ、レイプされ、殺されそうになった女性モデルが、ホテルの6階から飛び降りた。九死に一生を得た彼女を待っていたのは、現地警察による「拘留」だった。
女性こと、ロシア出身のエカテリーナ・セツシュクは22歳のモデル。脊椎骨折という大ケガを負ったものの、命はとりとめた。英DailyMirrorによれば、事件の舞台となったのは中東ドバイ。エカテリーナさんの母インゲさんの話によれば、アメリカ人ビジネスマンからナイフを喉に突き付けられ、脅されたための決死のジャンプだったという。
「娘は命と尊厳を守るため、6階から飛び降りたんです。命が助かったのは奇跡。脊椎は折れ、いくつかはつぶれてしまいました。娘は自分で歩くことも、動くこともできませんが、医師は脊髄が無傷だったことから、今後に関しては明るい予想をしてくれています」
ところがエカテリーナさんは現在、拘留されているという。これは襲撃者が警察に対し、彼女が彼を襲い、ナイフを用いたのも自己防衛のためだと訴えているからだ。エカテリーナさんは収監こそされてはいないものの、病院のベッドに“拘留”状態にあるという。
大ケガを負いながらも、エカテリーナ・セツシュクさんは、病院のベッドから気丈なメッセージ動画を寄せている。友人が訪ねてきてくれたことを悦び、「みんな愛しているわ」と、知人へ向けて笑顔を見せている。
「私は大丈夫、心配しないで。ロシア領事館の世話になっているの。手術は延期されて、状況を見ているわ。何も心配はない、大丈夫よ」
ところが事態はそうも楽観していられないようだ。母インゲさんは、「カーチャ(エカテリーナのあだ名)が私に電話をかけてきて、牢に入ることになるというのです。娘を有罪にしたがっていると」と、メディアに対して訴えている。
エカテリーナさんを襲った男は、ドバイから出国を試みたものの、空港で足止めをくらった。もし彼の罪が認められれば、15年の懲役刑となる可能性がある。取り調べの中で、男はエカテリーナさんに襲われた、自分こそが被害者であると主張。こうしてエカテリーナさんは、“容疑者”となってしまった。
医療費、そして「売春婦」扱いを晴らすための裁判を闘い抜くため、母インゲさんは1万1千ポンド(約164万円)を目標とした寄付を募っている。
「私の娘は、イルクーツクじゃ名の知れたモデルなんです。2月15日にドバイへ渡ったのは、(モデルとしての)契約があってのことです」
しかしドバイの法律を鑑みて、このゴシップが「より大きな問題を招く」として、ロシア領事館はエカテリーナ・セツシュクの周囲に対して、あまり騒ぎ立てないよう申し入れているという。その一方で、母インゲさんは、可能な限り迅速にドバイへ渡る意向を明らかにしている。