現地時間2月25日に閉幕した平昌オリンピックにて、映画「シンドラーのリスト」(1993)の楽曲を使用したフィギュアスケート女子シングル代表選手が、猛烈に批判されている。
映画「シンドラーのリスト」は、1993年に公開されたスティーヴン・スピルバーグ監督映画。第二次世界大戦時、ドイツ軍が行った大量虐殺(ホロコースト)から、多くのユダヤ人を救った独実業家オスカー・シンドラー(1908-1974)を描いた作品だ。第66回アカデミー賞では12部門にノミネートされ、スピルバーグにとっては念願の最優秀作品賞、監督賞を含む7部門を獲得した。
フィギュアスケート選手ニコル・ショット(21)は、平昌五輪にドイツ代表選手として、女子シングルに出場。その彼女がフリープログラムに使用していたのが、映画「シンドラーのリスト」からの楽曲だった。一部がこの楽曲チョイスに猛反発したことを、TIMEほか、複数のメディアが伝えている。
同メディアによると、「シンドラーのリスト」にて描かれたホロコーストにおいて、いわば“加害者側”であるドイツ人のニコル・ショットが、同作からの楽曲を使用することに、違和感があると多くの人物が主張。コメディエンヌ/女優レスリー・ジョーンズら著名人を含め、「理解しがたい選択」「支持できない」「最悪のチョイス」といった拒否感を示しており、中には感情的に彼女の失敗を願う辛らつなコメントも見られた。
しかしその一方で、ジョン・ウィリアムズが手掛けた本作のサウンドトラックは、映画公開時から高い評価を得ており、彼はこの作品でアカデミー賞、英国アカデミー賞において、作曲賞を得ている。フィギュアスケートの分野でも、映画公開から間もない1994年のポール・ワイリーに始まり、数多くの選手たちがプログラムに採用。元全米チャンピオン ジョニー・ウィアー(33)や、露ソチ五輪代表ユリア・リプニツカヤ(19)など、枚挙にいとまがない。
サラエボ(1984)とカルガリー(1988)にて、二度オリンピックを制したドイツ出身(※当時は東ドイツ代表)の元フィギュアスケート選手カタリナ・ヴィット(52)も、この曲で演技を披露したひとり。彼女は後輩であるニコル・ショットへの批判に対して、ツイッターで苦言を呈している。
「どうかみなさん、ニコル・ショットの音楽チョイスや、オリンピックスピリットに対して、そう無情にならないで。彼女は非常にエモーショナルなヴァイオリンの音色に合わせて、とてもエレガントな演技をしました。私だってこの映画の音楽に合わせてスケートをしたことがあるし、そのことでスティーヴン・スピルバーグ自身から何より感動的な手紙をもらったのよ」
Please guys,don't be so harsh on Nicole Schott´s Music choice&keep olympic spirit.She did a very elegant choreography to this extraordinary emotional violin piece.I skated to the music of "Schindler´s List" too&Steven Spielberg himself send me the most touching letter afterwards
— Katarina Witt (@Katarina_Witt) February 23, 2018