@missperuofficial / Instagram
南米ペルーにて、国一番の美女を決めるコンテスト「Miss Peru 2018」が開催された。本戦で候補者たちが主張したのは、自分の長所……ではなく、女性の苦難だった。
「きらびやかなスマイルや、水着審査を期待する?」と、この一件を、Vogueですら驚きをもって伝えている。今年のミス・ペルーコンテストで、候補者たちが主張したのは、自分たちが誇る“美”ではなかった。彼女たちはコンテストを、ジャッジや観客たちに、多くの女性たちが苦難を強いられていることを知らしめるためのプラットフォームとして利用したのだ。
ミス・コンで披露される“サイズ”といえば、誰もがバスト・ウェスト・ヒップ、いわゆる3サイズを想像するだろう。しかしBuzzFeedによれば、彼女たちが「私のサイズ(My measurements)」としてステージ上で明かしたのは、「女性だから」という理由で虐げられる被害者たちの数だ。
「私の名前は、ルシアナ・フェルナンデス。ワヌコの代表です。私のサイズは、この国では13000人もの少女たちが、性的虐待に遭っているということです」
「私の名前は、カミラ・カニコバ。リマの代表です。私のサイズは、私の国ではこの9年間で、フェミサイド(“女性だから”という動機に基づく殺人事件)が2202件も起きているのです」
「私の名前は、フアナ・アシヴェド。私のサイズは、私たちの国では70パーセント以上者女性が、街中での嫌がらせ被害に遭っているのです」
「アルメンドラ・マロキンよ。私はカニエテ郡の代表で、私のサイズは25パーセント以上もの女子や10代の子たちが、学校で虐待に遭っているということ」
「私の名前は、ベルジカ・グエラ。チンチャ郡の代表です。私のサイズは、65パーセントもの女子大学生が、パートナーからの暴行被害に遭っています」
The Miss Peru 2018 beauty pageants gave statistics about women's rights instead of saying their bust and waist sizes #NiUnaMenos pic.twitter.com/YXrF82yfaD
— badass woman alert (@badass_w) October 31, 2017
女性を救おうと声を上げたのは、彼女たち候補者だけではない。水着審査の間、候補者たちの背景には、女性を対象とした殺人・暴行事件を取り上げた新聞のヘッドラインが映し出されていた。
最終審査で彼女たちにぶつけられた質問は、どうすれば「フェミサイド」を終わらすことができるかというもの。ペルーを含む南米では、現在「#NiUnaMenos(ひとりも欠かさない)」というフェミサイドに対する抗議運動が起こっており、8月から5万人を超えるペルー人がこの運動に参加している。
オーガナイザーであり、1987年度のミス・ペルーであるジェシカ・ニュートンは、水着審査への批判に対しても「女性がそうしたいと望めば、素っ裸で外へ出ていくことだって可能。個人の選択だ」と強気だ。着ているものに関わらず、すべての女性が敬意をもって扱われるべきだと訴えている。
【ミス・ペルー2018に輝いた、ロミーナ・ロザーノ】