リタ・モレノ、アカデミー賞授賞式にて56年ぶりに着た“帯リメイクドレス”の裏話! 「背中がしまらなくて、○○したわ」

現地時間3月4日に行われた第90回アカデミー賞授賞式に、女優リタ・モレノ(86)は、1962年の同授賞式で着たものと同じドレスを着て出席。この物語は、どのようにして生まれたのだろうか?

リタ・モレノは、1962年のオスカーにて、「ウエスト・サイド物語」アニタ役の演技により、アカデミー助演女優賞を獲得。「オスカー90周年を祝う歴史的なイベントだと思ったのよ」と、授賞式に臨んだ際の心境を、San Francisco Chronicleに対して語っている。

「“そうしましょう、何を着たらいいの?”と思ったわ。それからクローゼットをあさることを決めたの」

さかのぼること半世紀、そもそもリタのドレスはどのようにして生まれたのか? 本人によれば、フィリピンにて「くだらない映画で暗い女を演じていた」撮影中、オスカーノミネートを知ったという。現地のデザイナー ピトイ・モレノは、当時「もっとも人気なデザイナー」のひとりであり、そこで彼を当たることにしたのだと話す。

「私はどんなふうにしたいか、明確なビジョンがあったの。それから彼がこの、並みはずれて素晴らしい、帯からリメイクしたドレスを進めてくれた。ワンピースだから、ヘムはないのよ」

今年の授賞式にて、外国語映画賞のプレゼンターを打診されたとき、リタ・モレノの頭に浮かんだのが、1962年以来、一度も袖を通していなかったこのドレス。「56年間、むき出しのまま、クローゼットに吊りっぱなし。スカートのゴールド部分が変色しているかと思うじゃない? でもそんなこと、なかったのよ」

とはいえ上半身部分は、当時のままとはいかず……。背中で開け閉めするタイプのドレスだったが、「着ようと思ってもね、閉まらないのよ! しょうがないでしょ、56年がどれだけ長いと思っているの!」という事情で、新たに仕立て屋を雇って、この問題を解決したことを明かしている。

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ハリウッドの大先輩として、リタ・モレノは、#MeTooムーブメントが席巻した今年の授賞式を、どう感じたのだろうか?

「正直、ドキドキしたわね。こんなことに関わるとは思っていなかった。このムーブメントがどんどん大きくなることを、喜ばしく思い、そして安心しているの。若い女性が自分自身に敬意を払い、威厳を保とうとしている姿を見て、彼女たちが自分にはその価値があると信じる姿に胸を動かされるのよ。私はずっと長い間、そんなふうに思えなかったから」

「ショービジネスや、映画は変わった」とリタ・モレノは話す。南米プエルトリコからの移民である彼女は、「過小評価されてきた人々が、正当な扱いを受けるとき」だと、「ヒスパニック・コミュニティ」について言及している。

「数年前、ヴィオラ・デイヴィス※は美しいスピーチをしたわね。役を得なくちゃ、ノミネートされることもないのって」

※ヴィオラ・デイビス … 映画「フェンス」にてアカデミー助演女優賞受賞、