男性モデルたちが、大物カメラマン マリオ・テスティーノ&ブルース・ウェーバーのセクハラ行為を告発

(マリオ・テスティーノと、ケイト・モス / ブルース・ウェーバー)

ファッション界の大物カメラマンたちからのセクハラ行為を、複数の男性モデルたちが告発した。

マリオ・テスティーノ(63)と、ブルース・ウェーバー(71)という、フォトグラファー界の大物ふたりの告発は、28人の男性モデルたちによって行われた。彼らの中には、すでに業界を去った者のほか、現役のモデルたちも含まれており、1月13日発行の「The New York Times」紙面にて、1990年代から現在まで続く、ふたりの“悪行”を訴えた。

28人のうち、ブルース・ウェーバーの行為を明らかにしたのは、15人の男性モデル。そのうちロビン・シンクレアというモデルは、「彼が指をわたしの口に含ませ、わたしの性器を握りました。セックスや、それに準ずる行為は行いませんでしたが、いろいろなことがありました。たくさん触られましたし、性的ないやがらせは多々ありました」と赤裸々に告白している。

加えて紙面で明かされた“プライベートセッション”の内容として、「モデルたちに服を脱がせ、“エナジー”エクササイズを行うよう促される」というものも。その内容とは、「深呼吸しながら、性器に触れ、ウェーバー自ら彼らの手を動かして彼らが“エナジー”を感じられるようにする」というもの。同時に彼らの手を、ウェーバーの性器にあてがうこともあったという。

 

一方で、マリオ・テスティーノの行為を告発したのは、13人の男性モデルたち。彼らが明かした内容によれば、「性的な誘いをかけてきて、触り合いや、マスターベーションも含まれていた」。「GUCCI」に起用された経歴を持つジェイソン・フェデールは、「マリオと仕事がしたいのなら、ホテルでヌードにならなきゃいけない。エージェントはそれが不可欠であることも、キャリアのためになるとみんな知っているんだ」と明かしている。

なお、ブルース・ウェーバー、マリオ・テスティーノ、両名ともに今回の告発内容を否定している。

「完全にショックを受け、ひどい訴えを、悲しく思っています。まったくの事実無根です」(ウェーバー)
「信頼できる訴えだとは思えない」(テスティーノ)

 

しかしその後、ブルース・ウェーバーは、さらなる告発を受けている。週が明けた1月17日、「The Business of Fashion」において、彼のセクハラ行為に対する新たな証言が掲載された。

D・L・ジャネイという男性は、1982年、英版「Vogue」の撮影において、ウェーバーから下着を脱ぐよう求められたことを証言。ウェーバーはその理由を、当時カメラマンとして彼を起用していた下着大手「Calvin Kleinに送るため」と説明し、ヌードになるよう要求したが、ジャネイがこれを拒否したところ、このあとは一切口をきいてくれなくなったという。

クリストファー・ケイツは、2006年に、米マイアミに位置するウェーバーの自宅における撮影時のエピソードを告白。このとき彼は、他のスタッフの目が届かない階上にある一室へ行くよう求められ、従ったところ、あとから部屋へやってきたウェーバーから、服を脱ぎ、「不適切な触れ合い」を求められたと語った。

「いつだってブルースとの仕事じゃ、“あぁ、そうだね、彼って変だよね、ちょっと気持ち悪いよね。変な“呼吸法エクササイズ”をやらされるからさ”って感じなんだ」と、元モデルのジェイソン・ボイスは話している。「でもそんなこと、誰も口にしないんだ。誰も彼から性的暴行を受けたと訴えられるほどの立場じゃないんだ。従うしかないんだよ。“あぁ、ハイハイ、たいしたことじゃないさ、やっちゃおう”ってね。多くの男性がするようにだよ」

ジェイソン・ボイスは、ブルース・ウェーバーに対して訴訟を起こしており、このことが明らかになると、彼の弁護士のもとには、ウェーバーからの被害を訴える男性モデルたちが次々とやってきたという。ウェーバー自身は依然としてこれらの訴えの内容を否定しており、「40年以上もフォトグラファーとしての仕事を続けてきており、モデルたちからは尊敬されてきた。誰かを傷つけ、その成功を妨げるようなことをした覚えは、一切ない」との声明を発表している。