9月10日、アメリカ合衆国のトップを競うコンテスト「ミス・アメリカ 2018」が開催。今年1月の就任以来、何かと全米に波紋を投げかけがちなドナルド・トランプ大統領は、1921年から続くミスコンへも影響力を及ぼしていた。
“ミス”の座を獲得するためには、美しさだけではなく、知性や教養も兼ね備えていなくてはならない。そのためコンテストのプログラムには、ルックスを競う場面のみならず、出場者の内面を見せるパートも用意されている。
今年の「ミス・アメリカ」に輝いたノースダコタ州代表のカーラ・マントは、質疑応答の場でトランプ大統領がパリ協定からアメリカが離脱したことを問われると、「この決断は間違っている」と回答。米TMZによれば、温暖化など気候の変化を具体例として挙げ、地球環境保全の大切さを訴え、知的な魅力をいかんなく発揮した。
一方で、栄冠を逃しながらも、誰よりも評判になったのは、テキサス州代表のマルガナ・ウッド。彼女は白人至上主義団体と、反差別団体が衝突し、ひとりが死亡したシャーロッツビル(米ヴァージニア州)での出来事について問われた際、「白人至上主義者は、明らかなテロリスト」だと断言した。
さらに彼女は、白人至上主義者たちに対して、終始言葉を濁していた大統領声明について、「ドナルド・トランプ大統領は、問題点を示し、すべてのアメリカ人がこの国は安全だと確信できる声明を、より早く出すべきでした」と批判。「この問題は、現時点で一番のものだと思います」と、キッパリ述べた。
TVGuideによれば、時間にしてたった15秒あまりだった彼女のスピーチは、一般視聴者から絶賛されているという。マルガナ・ウッドが白人至上主義者について、全国放送の生中継を通じ「テロリスト」と断言したことを、「勇気ある行為」だと称える声がツイッター上に続出。「お若いお嬢さん、あなたは私に、あなた方のような若い世代への希望を抱かせてくれた。あなたは真に美しさと、知性を兼ね備えた女性だ」と褒めたたえる声も。残念ながら「ミス」の栄冠は逃した彼女に対し、「ミス・テキサスこそが今日の勝者」「ミス・テキサスではなく、もはや大統領に」との言葉が贈られている。